山善(YAMAZEN) 4.8V充電ミニドライバーの改造 - NiCd から NiMH へ

以前、通販で購入した充電式ドライバー。

 

パワーもそこそこで悪くないのですが、内蔵されている電池が NiCd で、自己放電が激しく、いざ使いたいときには動かず、いったん充電を待たないといけません。また、充電回路などは内蔵しておらず、単純に容量の小さい ACアダプターを直に接続して、充電が終わった頃に抜いて終了、というかなりアバウトなもの。当然、抜き忘れも生じるので、電池にはダメージのはずです。

 

そのため、なかなか使い勝手が悪く死蔵されていました。これを改善すべく、NiMH 電池に入れ替えることにしました。

 

まずは解体を試みましたが、見えているネジを外しても筐体が外れません。思い余って、電池が入っている取っ手部分をのこぎりでカットしてしまいました(あとで気づきましたが、シールの下にネジ穴があったようです...)。

 

まずは NiCd を除去。カドミウムを含むので、ゴミで捨てないで回収に出します。

 

入れる電池はかなり前に秋月電子で購入した GP の ReCyko というもの。公称 2050mAh 1.2V で、自己放電が少なく 1000回充電可能。サイズが通常の単3よりわずかに大きいため使いづらく、電池箱の中に放置されていました。8本あったので、いったん通常の充電器でフル充電し、電圧の高かった方から4本を選択しました。なぜなら、4本直列で充電するため、なるべく特性が揃っていたほうが良いからです。


これを4本直列にしますが、電池ボックスを入れるスペースはないし、タブ付きではないのではんだ付けでの接続は無理。やむなく、錫メッキ銅線をビニールテープできつく巻いて、電池の両極に接触固定させる方法を取りました。

 

充電方法は、急速充電では電池の発熱やデルタピークの検出などの問題がありますので、通常充電とします。一晩(6 ~ 8時間)で充電させるため、電流は 300mA にします。0.1C を超えてはいますが、問題ないでしょう。

 

左図の定電流回路(約 0.6V/(1+1)Ω = 300mA)を挿入しました。充電時と放電時の電流の向きを制御しているのが、二つのショットキーバリアダイオードです。充電しながらドライバーを使用することも可能です。

 

ここまで完成させて組み込んだところで、誤算に気づきました。

 

付属の ACアダプターは公称 6V 350mA ですが、「定電圧」ではなく、小さなトランス出力を整流しただけのものでしたので、無負荷時の電圧が 10V 以上!ありました。よく考えたら当たり前ですね。安物ですから。したがって、このままでは、繋ぎっぱなしだと過充電となり危険です。


やむをえず、定電圧回路を ACアダプター側に追加しました。低ドロップの 5V 3端子レギュレータに LED で下駄を履かせて 6.6V にしてあります。電流が多く ACアダプターの出力電圧低下時は、出力電圧 - 0.2V 程度になります。これならば、NiMH 電池にかかる電圧は最大で 1.5 ~ 1.6V ですので、繋ぎっぱなしでも心配ありません。


これで、手軽に電動ドライバーが使えるようになりました。